YAMAHA No.20 中学校音楽室
- 中学校 音楽室のピアノ。GPが2台あり、授業では新しい方を使っています。
当初、古いGPを とりあえず 使える状態にするというご依頼でしたが、
だんだんエスカレートしていき、フレームを上げる大修理になりました。
「修理中、さわらないこと」
教頭先生が書いて下さった。
・・よけいにさわりたくなりそうだ。
弦を全部外した後、ブロアーで埃を吹き
飛ばします。
埃の下からザラザラになった響板が姿を現しました。
割れの有無も確認したいし、この際フレームを外そうか・・でも重そうだなぁ。
古いチューニングピンは、弦の切れ端を通して
束ねておきます。
こうしておくと 本数の確認が容易になるととも
に、錆取り液に浸す際に作業が楽になります。
チューニングピンとしてリユースすることはあ
りませんが、これで風鈴やチャイムを作ると
良い音がするのです。
フレームを外します。GPの場合、上に引き上げ
るだけなので この作業はUPよりも簡単です。
でも重いです。UPよりはるかに重たいです。
助っ人を要請。数名の先生方と1人体格の良い男子生徒、女子の応援隊?も集まってくれました。
数は力なり、、機械を使うより早く あっという間に上がりました。
フレームのネジでお絵かきをしているわけでは
ありません。ネジの位置の確認です。
段ボールに挿すと良いのですが、持ち合わせが
ないので写真に残します。
汚れと一緒に古いニスを取り除きます。
溶かして浮かせてから ヘラで すくい取って
いきます。あと残り半分。
響板は大丈夫のようです。
すっぴん。
きれいになりました。
数日間隔でニスを重ねて塗ります。
天井の蛍光灯が映りこむくらいになりました。
ニスが固く乾いたら表面をサンドペーパーで
研ぎ、もう一度仕上げ塗りをします。
チューニングピンを打ち込むときに、ピン板
を傷めないように、ジャッキを入れて養生し
ます。
2~3基のジャッキとピン板裏側(下側)の間に板を挟んで面で支えるようにします。
自動車用のジャッキも利用できますが、能力が高いので、上げすぎるとピアノが壊れます。
弦を張っていきます。
この時点では チューニングピンに引っ掛けて
クルクルっと軽く巻くだけ。
中音・低音まで出来たところで一休み。
全部 張り終えてから 全体に少しずつ張力をか
けていきます。
音楽室に何ヶ月もずーっとこのままになってい
るカレンダー。
相田みつをさんの言葉が心に染みる。
作業がはかどらない。
片づかないんだなぁ これが。
ダンパー関係はレバーごと持ち帰って修理。
ダンパーフェルトも全部貼り替えます。
2か所ある大屋根の蝶番が一つ無くなっていた
ので取り付けました。
最初大屋根を上げるときにズルッといきそうに
なりました。
あぶない あぶない。
部品取りされたのなかなぁ・・誰?
合板剥離。
バキバキっと剥がしてしまいたい
ところですが そこをグッとこらえて。
接着~。
なんか、ちょいと わびしい、、。
鍵盤蓋。開け閉めするときに触れる「R」の部分
は元々別材です。剥がれ発生。
材が捻れているので接着剤だけでは密着しませ
ん。
穴明けし、丸木を打ち込み密着させました。
もちろん接着剤も併用します。
後でダボを切ってノミで面を揃えます。
鍵盤蓋の塗装。
砥の粉で目止めをしてから吹き付け。
鳥居は無くなっていたので作りました。
楽しい日曜大工。
大屋根支え棒・受け金具・側板。
この部分も全部無くなっていたので作りました。塗料は黒ツヤ消し。
どうしてこんなものが無くなるのか分かりま
せん。部品取り?だとしたら何と大胆な。
公共物ですよ。
なんとか形になった。中はピカピカ、屋根を
開けるとニスの香りがする。
写真がありませんが、ハンマーとダンパーフェ
ルトも全交換しました。
おい、まだ鍵盤蓋が付いてないぞ!。